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開催概要

1. 名称

第4回 風と土の芸術祭
Artown(アートタウン) in Misato 2013 — 過去・現在・未来 —

2. 目的

 「風と土の芸術祭」は、400年の歴史を持つ「会津本郷焼」で知られている伝統的な陶磁器の里で開催される芸術の祭典です。
 本企画は2007年、会津本郷町、会津高田町、新鶴町が合併し、会津美里町が誕生した記念祭に端を発します。会津本郷町は、会津鶴ヶ城の瓦の生産芸術の町であることを強くPRするイベントとして、初年度より会津美里町本郷地域の瀬戸町通りを舞台に開催されてきました。本郷地域の古くからのメインストリートである瀬戸町通りの空き店舗や公園等を中心に、有効的に利活用したインスタレーション作品は、町民の交流はもちろん、観光客が商店街にも流れてくる良い機会ともなってきました。
 これまでの招待作家として、伊藤公象、伊藤知香、太田三郎、岡部昌生、小楠佳子、加藤可奈衛、島剛、西村陽平、吉田重信、渡辺泰幸ほか、多くの「土」を使用した美術作品を紹介してきました。 また、これまで多くの大学の教員や学生、小、中、高等学校の学生がワークショップ等を通じて積極的に関わってきました。本事業を契機に会津美里町と福島大学が文化、産業、環境、教育等の分野で相互友好協力協定を結び、より一層の連携も図られてきた経緯もあります。
 「風と土の芸術祭」はと今年、福島の東日本大震災を迎えた後、はじめての開催となります。地域住民と学校関係者、芸術家とのネットワークが形成され、さらには町民が一体となり、観光振興への意識の高揚も図られることで、福島の「風評被害」を払拭し、将来の町づくりへの基盤が形成されることを期待しています。また地域の子どもたちも自分の生まれ育った地域のイベントに参加することによって、自分の住んでいる地域の「土」を介して、文化の大切さや郷土愛が育み、今まで知らなかった発見や、ふるさとを考える良い機会となればと願っています。

3. 主催

風と土の芸術祭実行委員会(実行委員会組織図)

4. 実施期間

平成25年9月14日(土)~9月23日(月) 計10日間

5. 事務局体制

会津美里町商工会

6. 実施場所

会津美里町本郷地域内の指定場所(主に瀬戸町通り周辺)

7. 開催内容

≪展示企画≫

  • ① 芸術家作品展示(招待作家)
    鯉江良二(陶芸家、美術家)、長澤伸穂(美術家/ニューヨーク州立大学)、 ヤノベ ケンジ(美術家/京都造形大学)、 伊藤有壱(クレイアニメーション)、酒井ゆうじ(造形作家/ゴジラ造形)、 佐藤香(美術家/福島在住)、艾沢祥子(版画家/美術家/札幌在住) 千葉清藍(書家/福島在住)、齊藤岩男(映画美術監督/東京在住) 吉田重信(現代美術家/いわき市在住)、島剛(彫刻家/茨城大学教授)
    武谷大介(FIELD TRIP PROJECT/遠足プロジェクト)
    オノ・ヨーコ(空をつなげるプロジェクト)

    過去の展示作家作品から
    伊藤公象、西村陽平、渡辺泰幸、岡部昌生、小楠佳子
  • ② 福島県出身の若手作家
  • ③ 会津本郷焼の窯元(宗像窯、酔月窯ほか)
  • ④ 福島大学生、会津大学生、会津大学短期大学生
  • ⑤ 町内3中学校及び大沼高等学校、会津坂下高等学校、会津工業高等学校参加
  • ⑥ ワークショップの開催(4回)
    長澤伸穂・・・公開制作、野焼
    佐藤香 ・・・公開制作
    伊藤有壱・・・粘土によるアニメーション
    酒井ゆうじ・・粘土によるオブジェ
  • ⑧ 会津工業高校生によるロクロ実演、お茶会
  • ⑨ 大沼高校を中心とする高校生演劇部の「会津本郷焼」にちなんだ演劇
  • ⑩ 講演会、シンポジウムの開催
  • ⑪ 向羽黒山城跡に関連した芸術作品
  • ⑫ 作品集の製作

これまでの主な出品作家
2007年 西村陽平、石田智子、太田三郎、小楠佳子、生出愛、渡辺泰幸 ほか
2008年 島剛、加藤可奈衛、箱崎りえ、田崎宏、馬場泰、尾岐芸術村 ほか
2009年 伊藤公象、伊藤知香、岡部昌生、伊藤達矢、伊藤将和、吉田重信ほか

≪関連企画≫ 地域に伝わる文化との関わり

 会津美里町本郷地域は、長い歴史と伝統文化に培われた伝統的工芸品「会津本郷焼」などの伝統的産業が盛んで、豊かな自然に恵まれ、他の地域にはない優れたモノや文化が多く、豊富な資源を有しており、「会津本郷焼」の知名度は既に行き渡っている。この芸術祭においても、会津本郷焼を始めとし、この土地の優れた地域資源を掘り起こし、地域が一体となってアピールすることでさらに知名度を高め、地域産品の販売促進と観光誘客が連携し、地域の歴史、伝統文化、行事など地域振興の中で地域の産業振興と産業活性化を図ることを目的としている。

①陶祖祭及び秋季祭礼への参加

毎年、9月には、陶祖祭や秋季祭礼といった地区の祭礼が開催されている(写真1)。 この度の芸術祭の開催は、この祭礼に合わせた時期の開催とし、作家や学生をはじめ、 多くの誘客があり、地域の伝統行事と本事業の融合が図られる。

②会津本郷焼窯元と大学生のコラボレーション作品

「会津本郷焼」は、1993年に通産省より、伝統的工芸品に指定され、今から100年ほど前には、窯数およそ100件を数え、一大ブームが起ったが、今現在多くの問題を抱え、会津本郷焼の窯数は16件まで減少している。その背景には、輸入競合品の増加により安価な品物の流入や消費者のライフスタイルの変化によるニーズの減少、さらには窯業を行っても十分な所得確保が難しく、一人前の職人になるまでに時間がかかることから、後継者の不足も問題となっている。
 その打開策として、本事業では、芸術専攻の学生が陶磁器のデザインを考案し、職人である窯元の方に製作していただき、学生とのコラボレーション作品の制作に取り組む。
 これを実施することにより、現在の若者のニーズの把握が可能となり、またこの地で芸術を志す若者の就業の場となればと考える。双方にとって、刺激があり、現状を打開する契機になるのではないかと考える。